インディ・ジョーンズ/最後の聖戦 | |
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Indiana Jones and the Last Crusade | |
監督 | スティーヴン・スピルバーグ |
脚本 | ジェフリー・ボーム |
製作 | ロバート・ワッツ |
製作総指揮 |
ジョージ・ルーカス フランク・マーシャル |
出演者 | ハリソン・フォード |
音楽 | ジョン・ウィリアムズ |
撮影 | ダグラス・スローカム |
編集 | マイケル・カーン |
配給 |
パラマウント映画 パラマウント映画/UIP |
公開 |
1989年5月24日 1989年7月8日 |
上映時間 | 127分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $48,000,000[1] |
興行収入 |
$474,171,806[1] $197,171,806[1] 44億円[2] (配給収入) |
前作 | インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説 |
次作 | インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 |
『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(インディ・ジョーンズ/さいごのせいせん、Indiana Jones and the Last Crusade)は、1989年のアメリカ映画で、インディ・ジョーンズ シリーズの第3作目。インディの青年時代や名前の由来、父親ヘンリーとの冒険などが描かれる。
アカデミー賞では音響効果賞を受賞。他にも作曲賞、録音賞にノミネートされた。
この作品を最後にハリソン・フォード主演のインディ・ジョーンズシリーズは休止していたが、19年後の2008年に続編として『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』が製作された(ルーカスフィルムとパラマウントはシリーズ開始時に全5作の映画化契約を交わしている)。
ストーリー
舞台は1938年。冒険家として、また考古学教授として多忙な日々を過ごすインディ・ジョーンズに、大富豪ドノヴァンから相談が持ちかけられる。イエス・キリストの聖杯の所在を示す重大な遺物を手に入れたが、調査隊の隊長が行方不明になり、それを探して欲しいというのだ。
最初は渋っていたインディだったが、その行方不明になった隊長というのが自分の父、ヘンリー・ジョーンズであると聞き、仕方なく依頼を承諾。父が最後に消息を絶ったヴェニスに向かった…。
キャスト
- インディアナ・ジョーンズ <ヘンリー・ジョーンズJr.> (ハリソン・フォード)
- 「インディ・ジョーンズ」シリーズの主人公。有名な考古学者にして、無類の冒険家。
- 聖杯探索中に行方不明になった父親を探すべく冒険に立ち上がる。
- ヘンリー・ジョーンズ(ショーン・コネリー)
- インディの父親。聖杯探索の第一人者。考古学者だがインディとは対照的で書斎派の学者である。聖杯研究に没頭して家庭に無関心であったため、妻が重病であることに気づかず死なせてしまった過去があり、その事でインディとは確執を持っていた。
- 大学では中世文学の教授であったが、堅物な性格ゆえ学生受けが悪く、誰も履修したがらなかった。
- これまでの聖杯研究はすべて自身の手帳に記録しており、その手帳を狙うナチスに捕らわれる。
- インディアナ・ジョーンズ(少年時代)(リバー・フェニックス)
- 12歳の頃のインディ。ボーイスカウトの活動の最中、コロナードの十字架の盗掘を目撃。十字架を博物館に収めるべく、盗掘団と争う。
- サラー(ジョン・リス=デイヴィス)
- インディの友人で、エジプトの発掘王。兄から車を借りていたが、途中でナチスに破壊される。
- マーカス・ブロディ(デンホルム・エリオット)
- 大学の副学部長で、インディの上司。博物館の館長でもあるが、自分の博物館で迷うほどの方向音痴。ヘンリーとは学生時代からの旧友。
- エルザ・シュナイダー(アリソン・ドゥーディ)
- 今作のヒロイン。考古学者で、ヘンリーの助手を務めていた。スーツ姿の似合う知的美女だが、ネズミのひしめく下水道に躊躇いなく入るなど、肝が据わっている。聖杯捜索の為、ナチスと手を結んでいた。
- ヴァルター・ドノヴァン(ジュリアン・グローバー)
- 実業家で、マーカスの博物館のスポンサーだが、その正体はナチス党員。キリストの聖杯で「永遠の生命」を手に入れヒトラーをも出し抜こうとしたが、エルザに掴まされた偽の聖杯を使った為朽ち果てた。
- エルンスト・フォーゲル(マイケル・バーン)
- 親衛隊の大佐で、聖杯捜索隊の指揮官。典型的なナチス器質でインディ親子を虫けら同然に扱う。最期はインディに戦車上での一騎打ちの末倒され、戦車ごと崖から落下した。
- フェドーラ(ガース)(リチャード・ヤング)
- 盗掘団のリーダー。若きインディのガッツを褒め、帽子をプレゼントする。
- アドルフ・ヒトラー(マイケル・シェアード)
- ナチス・ドイツ総統。キリストの聖杯で「永遠の生命」を手に入れ、世界征服を目論む。
メモ
- 映画の冒頭はシリーズ共通のイメージである、パラマウントのロゴマークと実景とのオーバーラップで始まる。
- キリストにまつわる秘宝をナチスから奪うというプロットであるが、父親との確執と融和をストーリーの中心に据え、大人の観客を意識したアクション大作となっている。
- 『インディ・ジョーンズ』シリーズはもともと、スピルバーグが007シリーズを作りたいとルーカスに提案したのが始まり。シリーズの(いったんの)最終章として、インディの父親ヘンリー・ジョーンズ役は007の初代俳優であるショーン・コネリーに依頼した。ちなみに第二候補となっていたのはグレゴリー・ペック[3]。
- 青年時代のインディ役には、当時大人気だったリバー・フェニックスを起用したが、本作公開からわずか4年後に若くして他界してしまった。この青年時のシークエンスで、インディがなぜあの服装(特に帽子)になったのか、蛇が嫌いなのかなどが明かされた。
- ハリソン・フォードは、実際にあごに傷がある。この特徴を活かして、リバー・フェニックスが演じる少年時代のインディがムチを使いあごを自傷するシーンを使って、のちのインディ(ハリソン)と同じようにしている。DVDに収録しているインタビューによると、この傷は、実際に20代の頃に自動車事故で負ったものらしい。
- 同じように特徴を活かし終盤で、インディが本物の聖杯を探し当て「イエスは大工だった!」とも言っている。実はハリソンも、下積みの頃に大工をしている。
- ドイツ軍とのオートバイチェイスで使用されたサイドカーは、旧ドイツ軍で使用されたBMWシリーズではなく、ロシア製の旧ドイツ軍、BMWオートバイ・サイドカーのコピーであるKMZ-DNEPRやIMZ・ウラル、一部BMWの外装部品などを使用、それらをドイツ軍風に装飾改造した混成改造サイドカー。他、サイドカー以外の単車は劇中、並列エンジンを搭載しているのが確認されているので、BMWシリーズとは何ら関係ない単車を改造して使用していると思われる(当時のBMWシリーズのバイクは、水平対向エンジンが主流であった)。
- 親衛隊将校のフォーゲル大佐が国防軍兵士の指揮を執るなど、かなり杜撰な考証が見られる。また、兵士たちの制服もかなり出来が悪いレプリカである。
- 劇中クライマックスに登場する戦車はドイツ軍の所属ではなくトルコ(トルコ軍かは不明)所属のものである。同様に聖杯捜索隊の主な兵士や車両、ラクダなどもトルコから借り受けてナチス捜索隊に組み込んだものであり、劇中に現地のサルタンにロールス・ロイス・ファントムIIや財宝などの報酬を引き渡すシーンがある。
- ちなみにサルタンが車両や兵士の貸与を告げる台詞の最後に"and tanks.(戦車)"という言葉がある。英国風の発音では"thanks.(感謝する)"を「タンクス」と読む(ドノヴァンも"you're welcome"と答える)ので、どちらにも受け取れるように書かれているのである。
- 登場する戦車は第2次大戦当時のドイツ軍制式戦車ではなく、不明車両をベースにドイツ軍の試作多砲塔戦車NbFz風に改装したものである。ただし、足回りや車体脇のスポンソン(張り出した副砲)など、第一次大戦中の英軍戦車Mk.Iに近い。ただし、Mk.1は時速4kmほどと非常に低速であり、現在自走可能な物はイギリスのボービントン戦車博物館に1両しか現存しておらず、文化財級の価値があり、海外ロケの映画に出演する事はあり得ない。その為、トラックなどをベースに張りぼての外装を載せ、履帯もMk.1を参考に作られた回転するだけのダミーの可能性が非常に高い。搭乗員を見る限りでは、操縦手や砲手は現地兵、潜望鏡を覗いていた兵などは服装からドイツ軍と推定できる。なお、インディが副砲に入れた石はゴム製である。
- カタコンベに足を踏み入れたインディは"Oh,Rats!"とつぶやく。スピルバーグの口癖から採られたアイディアらしく、アクターズ・スタジオ・インタビューに出演したスピルバーグが「よく使う悪態は?」と訊かれ"Rats!"と応えている。
- カタコンベが炎に包まれるシーンはネズミの大群が炎から逃げるため必死で泳ぐ姿が念頭に置かれており、模型飛行機のようなゴム動力のスクリューを付けたネズミの模型が沢山作られた。しかし実際のシーンは炎が大きい上に模型のネズミも泳ぐ勢いに欠け、意図されたような効果が上がっていない。ちなみにネズミの鳴き声はニワトリの鳴き声にピッチを上げるなどの加工を施して作られたものである。
- キャスティングにも工夫が見られる。シリーズ常連とも言うべきイギリスの俳優パット・ローチがゲシュタポ役で姿を見せている(2004年に67歳で死去)。シリーズ第一作冒頭のペルーの荷役夫役のテッド・グロスマンが保安官役で登場、同作終盤で無残な死に方をしたトート少佐役のロナルド・レイシーがハインリヒ・ヒムラー役でクレジット無しで出演しておりパレードのシーンで確認できる。またドノヴァンの妻役イスラ・ブレアはジュリアン・グローバーの実の妻である。さらにジェームズ・ボンドを演じたコネリー、『ユア・アイズ・オンリー』のグローバー、『美しき獲物たち』のアリソン・ドゥーディ、『リビング・デイライツ』のジョン・リス=デイヴィスと、007シリーズを意識した顔ぶれも楽しめる。『ナバロンの嵐』でハリソン・フォードと共演済みのフォーゲル大佐役のマイケル・バーンも本作から8年後に『トゥモロー・ネバー・ダイ』に出演した。また、撮影を担当したダグラス・スローカムは、『サンダーボール作戦』のリメイク作品『ネバーセイ・ネバーアゲイン』の撮影も担当している。
- 最後に出てくる聖杯が安置されている遺跡は、実在のヨルダンのペトラ遺跡である。
- インディとヘンリーが城で再会した際、インディが手帳を持ってきてしまったことを非難してヘンリーが"I should have mailed to Marx Brothers!(だったらマルクス兄弟に手帳を送ってやるんだった!)"と言うシーンがあるが、マルクス兄弟とは1930年代(本作の時代設定)に活躍した間の抜けた芸で有名なコメディアンである。つまり持ってきてしまうぐらいならコメディアンに渡した方がマシなぐらいインディが抜けているという意味。
- ヘンリーがドイツの戦闘機を撃墜した後、カール大帝の言葉を引用するシーンがあるが、ソフト版の日本語吹き替えにおいては、これは「シャルメン王」なる人物の言葉とされている(「シャルルマーニュ」の英語読み「シャーレメイン」からか?)。
日本語吹替
役名 | 俳優 | ソフト版 | フジテレビ版 | 日本テレビ版 | テレビ朝日版 | WOWOW版 |
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インディ | ハリソン・フォード | 村井国夫 | 玄田哲章 | 村井国夫 | 磯部勉 | 内田直哉 |
ヘンリー | ショーン・コネリー | 宮川洋一 | 若山弦蔵 | 若山弦蔵 | 坂口芳貞 | 銀河万丈 |
インディ(青年時代) | リバー・フェニックス | 山口健 | 草尾毅 | 鳥海勝美 | 岩永哲哉 | 加藤木賢志 |
エルザ | アリソン・ドゥーディ | 幸田直子 | 小山茉美 | 塩田朋子 | 小山茉美 | 田村聖子 |
ドノバン | ジュリアン・グローバー | 大木民夫 | 前田昌明 | 小林勝彦 | 小林修 | 佐々木梅治 |
ブロディ | デンホルム・エリオット | 村越伊知郎 | 富山敬 | 内田稔 | 石森達幸 | 有本欽隆 |
サラー | ジョン・リス=デイヴィス | 笹岡繁蔵 | 緒方賢一 | 飯塚昭三 | 島香裕 | 遠藤純一 |
フォーゲル大佐 | マイケル・バーン | 寺島幹夫 | 阪脩 | 青野武 | 仁内建之 | 金尾哲夫 |
カジム | ケヴォルク・マリキャン | 小島敏彦 | 麦人 | 千田光男 | 仲野裕 | |
老騎士 | ロバート・エディスン | 北村弘一 | 北村弘一 | 納谷悟朗 | 大木民夫 |
- ソフト版:ビデオ&DVD
- 翻訳:島伸三 演出・中野寛次 制作:東北新社・CIC・ビクター ビデオ株式会社
- フジテレビ版:初回放送1993年4月3日(土)フジテレビ『ゴールデン洋画劇場』 21:03-23:35
- 翻訳:木原たけし 演出:山田悦司 調整:熊倉亨 制作:東北新社
- 日本テレビ版:初回放送1994年4月1日(金)日本テレビ『金曜ロードショー』 21:03-23:34
- 翻訳:木原たけし 演出:佐藤敏夫 調整:熊倉亨 日本語版制作:東北新社 プロデューサー:垂水保貴 門屋大輔(日本テレビ)
- 2008年6月15日(日)にテレビ朝日『日曜洋画劇場』でも放送
- テレビ朝日版:初回放送1998年1月4日(日)テレビ朝日『日曜洋画劇場』 21:02-23:09
- 翻訳:岩本令 演出:伊達康将 調整:高久孝雄 制作:東北新社 プロデューサー:圓井一夫
- WOWOW版:初回放送2009年7月20日(月)WOWOW 191ch 12:30-14:37
- 翻訳:島伸三 リライト:山門珠美
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 “Indiana Jones and the Last Crusade (1989)” (英語). Box Office Mojo. 2010年4月10日閲覧。
- ↑ “日本映画産業統計 過去配給収入上位作品 (配給収入10億円以上番組) 1989年(1月~12月)”. 社団法人日本映画製作者連盟. 2010年4月10日閲覧。
- ↑ キネマ旬報2008年6月号 「インディ・ジョーンズ」特集
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